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写真:経済学部 経済・経営学科教授 教授 (OKAWA, Yusuke)
教員氏名 大川 裕介
ローマ字 OKAWA, Yusuke
所属学部 経済学部
所属学科 経済・経営学科
職 名 教授
メールアドレス yusukeo@kyukyo-u.ac.jp
取得学位 博士(商学)
学歴 1989(平成元)年3月 大阪府立千里高等学校卒業
1989(平成元)年4月 神戸大学文学部哲学科入学
1993(平成5)年3月 神戸大学文学部哲学科卒業
1993(平成5)年4月 大阪大学大学院文学研究科哲学哲学史専攻修士課程入学
1995(平成7)年3月 大阪大学大学院文学研究科哲学哲学史専攻修士課程退学
2019(令和元)年4月 関西大学大学院商学研究科博士課程入学
2022(令和4)年3月 関西大学大学院商学研究科博士課程修了
専門分野 会計学、地方自治体の会計・財政
所属学会名 2011(平成23)年9月 国際公会計学会会員(現在に至る)
2015(平成27)年1月 政府会計学会会員(現在に至る)
2017(平成29)年9月 日本地方自治研究学会会員(現在に至る)
2021(令和3)年9月 日本会計研究学会会員(現在に至る)
2023(令和5)年6月 地方行政実務学会会員(現在に至る)
2024(令和6)年9月 日本地方自治研究学会理事(現在に至る)
種 類 著書・
学術論文の名称
単著
共著
発行
年月等
発行所等 概 要
著書
著書 『公会計と公共マネジメント』 ISBN: 978-4502398216 共著 2021.10. 中央経済社 (全161ページ) 地方自治体を中心に、現在の会計制度および新たに導入が進んでいる地方公会計の概要や、その活用に向けた取り組みや課題などについて網羅的に解説をおこなった。
[P1-14「第1章 国の財政制度」、P15-29「第2章 地方自治体の会計」、P31-41「第3章 公営企業等の会計」、P43-52「第4章 公会計改革の動向」、P79-88「第7章 公共サービスのイノベーション」を担当]
(馬場英朗・大川裕介・横田慎一)
学術論文
学術論文 「地方自治体の財政指標と財政状態に関する実証分析:実質収支等と地方公会計の指標の比較」 単著 2021.12. 『地方自治研究』日本地方自治研究学会、第36巻第2号 (P15-27) 地方公会計から得られる財務指標の有用性を検証するために、実質収支に代表される従来の財政指標と、財務書類から得られる新たな指標のそれぞれが、財政状態の変動について説明力を有するのか、という点について回帰分析を用いた実証的な検証を行った。
その結果、実質収支が高い場合に財政状態の悪化が認められた一方で、各種の財務指標の良否とは財政状態と期待に沿った相関関係が認められた。このため、地方公会計の財務指標は財政状態の悪化について、より早期に警鐘を鳴らすことが可能と考えられる。
学術論文 「地方自治体の財政健全性にかかる要因分析:地方公会計データに基づく実証的検証」 単著 2020.11. 『地方自治研究』日本地方自治研究学会、第35巻第2号 (P13-24) 財政運営上の非裁量的要因に基づく各地方自治体の財政健全性の評価を行った先行研究を踏まえ、さらに裁量的要因を設定し、それらが財政収支等に与える影響を、統一的な基準による地方公会計のデータを用いて、統計的な実証分析により検証した。
その結果、税収や面積、人口といった非裁量的な要因だけではなく、職員数や地方債残高など、各地方自治体の施策判断や組織運営の結果である裁量的な要因も、財政の健全性に大きな影響を与えていることが示されたと考えられる。
学術論文 「資金収支情報の活動別区分による地方自治体の財政規律向上の可能性」 単著 2020.10. 『公会計研究』国際公会計学会、第21巻第2号 (P48-64) 吹田市および規模や環境の異なる2つの団体について、予算資金収支計算等を作成し、それが地方自治体の財政規律の維持向上の面で有用性を有するということを、論点を明確にしつつインタビューにより検証した。
その結果、財政規律の維持の観点から、コントロールすべき収支の明確化、複数の資産・負債の管理、および情報の一覧性・理解可能性という3つの論点について、地方自治体の財政規律の維持に有意義な影響をもたらす、という仮説を検証することができたと考えられる。
学術論文 「地方自治体の財務報告におけるキャッシュ・フロー情報の重要性」 単著 2020.3. 『公共経営とアカウンタビリティ』政府会計学会、第1巻第1号 (P24-36) 地方自治体の会計制度は、キャッシュ・フローの活動別区分がなされておらず、そのため財政運営に好ましくない影響が生じているのではないかという検討課題について、地方自治体の会計制度の分析および事例等に基づき考察した。
その結果として、発生主義会計の導入に先立ち、現金主義の範囲内、キャッシュ・フロー情報に活動別区分を設けるという観点から予算科目を見直すという改善方策も、検討に値する重要な方策ではないか、との結論が得られた。
学術論文 「地方自治体に求められるアカウンタビリティと業績情報のあり方について」 単著 2014.12. 『公会計研究』国際公会計学会、第16巻第1号 (P36-50) 地方自治体におけるアカウンタビリティのあり方について、営利企業との比較に基づき検討し、純資産の増減に基づく「財務業績」や、サービス業績評価指標の重要性について考察した。
その結果、住民(国民)の提供する資源は、当該年度の行政サービスコストを始めとした純資産減少要因に直接的に充当されざるを得ないことから、住民に対するアカウンタビリティとしては、まず、当期に提供を受けた資源により、当期のコストが賄われたか、すなわち「財務業績」がプラスかマイナスかを示すことが求められるとの結論が得られた。
学術論文 「発生主義・複式簿記会計的視点に基づく『地方財政計画』の考察」 単著 2014.3. 『公会計研究』国際公会計学会、第15巻第2号 (P62-82) 発生主義・複式簿記会計の視点から、地方財政計画、特にそれに組み込まれている臨時財政対策債の意味を検討し、財政状況を的確に開示しうる情報開示のあり方を考察した。
その結果、現状では臨時財政対策債は利子も含めてジャンプされ続ける仕組みとなっていることが明らかになるなど、現在の地方財政計画では、将来世代に多大な負担を転嫁しているとの結論が得られた。
学術論文 「大阪府の事例に基づいたキャッシュ・フロー計算書の可能性をめぐって」 単著 2012.3. 『公会計研究』国際公会計学会、第13巻第2号 (P18-30) 大阪府の事例に基づき、キャッシュ・フロー計算書による財政状況の把握や、不適切な会計処理の顕在化の可能性ならびに、従来の地方自治体の会計制度の改善の可能性について考察した。
その結果、平成21年度の従来の地方自治体の会計に基づく収支は黒字であるが、経常的な活動による収支はマイナスであり、それを財務活動収支のプラス、すなわち、地方債の発行によりまかなっていることが明らかになるなど、これらの事象の網羅的な把握・表示を行う必要があることが見出された。
学術論文 「バランスシート・行政コスト計算書による財政評価 : 大阪府の事例」 共著 2011.3. 『会計検査研究』会計検査院、第43号 (P87-109) 大阪府の従来の財務書類(平成19年度以前の旧総務省方式)では基金からの借入や借換債の増発等の状況が適切に開示されなかったことを踏まえ、それらを反映したバランスシート・行政コスト計算書に基づく財政評価を行うとともに、平成20年度以降に行われた財政再建策を早期に実施していた場合のシミュレーションを行った。
(大川裕介、赤井伸郎)
紀要
紀要 業務活動収支に着目した地方自治体の財政評価 : フロー指標とストック指標の組み合わせによる持続可能性評価の試み 単著 2024.11. 『大阪経大論集』大阪経済大学、第75巻第4号 (P79-92) 地方公会計による財務書類のうち、資金収支計算書に示される業務活動収支に着目し、将来にわたる業務活動収支の現在価値と純負債残高(地方債マイナス貯蓄性基金)とを対比した指標である「業務活動収支現在価値対純負債比率」を全国の市区町村について算定し、持続可能性を評価する試みを行った。
その結果、一定数の自治体において、現在の業務活動収支によっては負債の償還が難しく、一部には業務活動収支(5年間平均)がマイナスの団体も認められた。これにより、実質収支等の従来の指標に代わる新たな指標としての可能性が認められた。
紀要 「地方公会計の推進に向けた阻害要因および対応方策の検討:予算科目と勘定科目の相違による問題を中心に」 単著 2022.3. 『経済論集』ノースアジア大学、第20号 (P19-29) 地方公会計財務書類の作成および活用にかかる阻害要因として、従来の予算・決算制度における予算科目と、地方公会計における勘定科目の相違点を示し、次にそれらの相違点から生じる会計技術上の様々な問題点に着目した検討を行うとともに、先行研究において提案され、またヨーロッパ諸国において採用されているダブルバジェットの考え方の可能性を検討した。
その結果、予算科目を地方公会計と整合するように整理することで、実務において相当程度の簡便化、効率化が図られる可能性が認められた。
紀要 「地方公会計データを用いたストック情報の分析:全国の市町村における類似団体比較」 単著 2021.6. 『關西大學商學論集』第66巻第1号 (P37-56) 総務省研究会報告書および先行研究において紹介された各種の財務指標について、総務省ウェブサイトにおいて公開されている2年間の地方公会計データを用いた類似団体比較や、複数の指標の組み合わせから、地方公会計データにもとづく市町村の財政状況の全体像を示した。
その結果、人口が少ない団体ほど資産および負債が多いことや、平均的には健全に見えても、一部には非常に厳しい財政状況にある団体が数多く認められることを見出した。
紀要 「自治体財政指標に係る諸論点 : 発生主義・複式簿記会計の視点を交えた検討」 共著 2014.3. 『マッセOsaka研究紀要』大阪府市町村振興協会おおさか市町村職員研修研究センター、第17号 (P37-51) 地方自治体の財政評価の基礎となる各種指標の意義を、発生主義・複式簿記の観点を含めて検討し、それらの課題を指摘するとともに、現金収支に基づく収支の範疇においても、従来の実質収支に比しての基礎的財政収支(プライマリーバランス)の有用性について考察した。
(小室将雄、大川裕介)
学会発表
学会発表 「地方公会計財務書類の作成プロセスにかかる実務的検討:予算科目の整理やダブルバジェットの導入などの改善方策について」 単著 2022.10. 日本地方自治研究学会第39回全国大会 (於:同志社大学) 地方公会計の財務書類の作成が円滑に行われず、またやその活用も進まない要因について、実務的な観点を中心に、先行研究や諸外国の事例から検討した。
その結果、現在の地方自治体の会計制度は、地方公会計と十分に整合しておらず、実務的な負担が生じているほか、従来の会計制度が地方自治体関係者の思考を制約し、地方公会計の考え方の活用を阻害している可能性も認められること、それに対してはダブルバジェットの有用性が考えられることを報告した。
学会発表 「地方自治体の財政指標と財政状態に関する実証分析:実質収支等と地方公会計の指標の比較」 単著 2021.3. 日本地方自治研究学会第119回関西部会研究会 (於:オンライン) 地方自治体の実質収支等の財政指標と、地方公会計から得られるフロー指標について、財政状態を示すストック指標の変動に対し十分な説明力があるか、実証的な分析により検証した。
その結果、従来の財政指標は、財政状態の変動を十分には説明できない一方、地方公会計の指標は、引き続き検討すべき論点はあるが、概ね財政状態の変動に対して説明力を有しすることが認められることを報告した。
学会発表 「地方公会計データを用いたストック情報の分析:全国の市町村における類似団体比較」 単著 2020.11. 関西大学商学会研究会 (於:オンライン) 総務省研究会報告書および先行研究において紹介された各種の財務指標について、総務省ウェブサイトにおいて公開されている2年間の地方公会計データを用いた類似団体比較や、複数の指標の組み合わせから、地方公会計データにもとづく市町村の財政状況の全体像を報告した。
学会発表 「地方自治体の予算および財政推計におけるキャッシュ・フロー情報の活動別区分の試みについて : 新たな財政運営ツールの導入に向けたアクション・リサーチの展開」 単著 2019.12. 日本地方自治研究学会関西部会第116回研究会 (於:大阪学院大学) 大阪府吹田市に加え、政令市および中山間地域の町について、令和元年度当初予算にかかる資金収支計算書を作成するとともに、中山間地域の町に関しては、令和9年度までの財政推計についても資金収支計算書を作成し、それに基づいて実施したディスカッションや、アクション・リサーチの試みについて報告した。
学会発表 「キャッシュ・フローの活動別区分による予算情報の有用性向上の試み」 単著 2019.9. 国際公会計学会第22回年次大会 (於:横浜国立大学) 大阪府吹田市より令和元年度当初予算のデータの提供を受け、それにより予算時点の収支情報にキャッシュ・フロー計算書と同様の活動別区分を設け、その情報の有用性や意義について、吹田市職員とディスカッションを行うとともに実務への働きかけを行うという、アクション・リサーチの試みについて報告した。
学会発表 「我が国の地方自治体における財務報告の変革の必要性について : キャッシュ・フローの区分による財務情報の有効性向上の可能性」 単著 2019.6. 政府会計学会第3回年次大会 (於:早稲田大学) わが国の地方自治体の会計制度について、過去にわが国において認められた財政悪化・財政破綻の事例や、諸外国の事例を踏まえながら、キャッシュ・フロー情報の活動別区分の重要性について報告した。
学会発表 「我が国の地方自治体における財務報告の変革の必要性について : オーストラリアにおける先行研究及び事例を踏まえた考察」 単著 2019.4. 政府会計学会西日本部会第18回研究会 (於:関西大学) わが国の地方自治体の会計制度の構造に内在する問題点を、過去にわが国において認められた財政破綻の事例や、諸外国の事例を踏まえながら指摘し、発生主義会計導入に先立つ、現金主義会計の改善の必要性について報告した。
学会発表 「大阪府における『財源対策』への依存と、その後の脱却の経緯 : 地方財政制度の諸課題を交えて」 単著 2015.1. 公会計改革ネットワーク(現政府会計学会)西日本部会第1回研究会 (於:関西大学) 大阪府における過去の財源対策(収支不足を補う各種の措置であり、一部は適切といえない会計処理を含んでいた)や、地方財政制度全体の問題点(臨時財政対策債等)について、プライマリーバランス等の分析を通じて報告した。
学会発表 「地方自治体に求められるアカウンタビリティと業績情報のあり方について」 単著 2014.8. 国際公会計学会第17回年次大会 (於:中京大学) 地方自治体におけるアカウンタビリティのあり方について、営利企業との比較に基づき検討し、純資産の増減に基づく財務業績や、サービス業績評価指標の重要性について報告した。
学会発表 「『地方財政計画』についての会計的考察」 単著 2013.8. 国際公会計学会第16回年次大会 (於:西南学院大学) 発生主義・複式簿記会計の視点から、地方財政計画、特にそれに組み込まれている臨時財政対策債の意味を検討し、財政状況を的確に開示しうる情報開示のあり方を報告した。
学会発表 「大阪府の事例に基づいたキャッシュ・フロー計算書の可能性と限界をめぐって」 単著 2011.9. 国際公会計学会第14回年次大会 (於:名城大学) 大阪府の事例に基づきキャッシュ・フロー計算書による財政状況の把握や、不適切な会計処理の顕在化の可能性、ならびに従来の地方自治体の会計制度の改善の可能性について報告した。
その他
その他 「地方自治体における予算情報の活動別区分による有用性向上:新たな財政運営ツールの導入に向けたアクション・リサーチの試み」 単著 2020.3. 『公会計研究』国際公会計学会、第21巻第1号 (P38-50) 大阪府吹田市より令和元年度当初予算のデータの提供を受け、それにより予算時点の収支情報にキャッシュ・フロー計算書と同様の活動別区分を設け、その情報の有用性や意義について、吹田市職員とディスカッションを行うとともに実務への働きかけを行うという、アクション・リサーチを行った。
その他 「地方公会計情報を利用した課題解決とそれを支える適切な固定資産台帳の更新」 共著 2018.6. 『地方財務』株式会社ぎょうせい、第768号 (P29-44) 平成28年度決算から導入された地方公会計の活用の方向性や考え方について解説するとともに、その基礎となる固定資産台帳の更新の基本的な考え方と、その作業の改善手法等について解説した。
(小室将雄、大川裕介)